2008年09月30日

Re: 利己的な遺伝子 血縁淘汰説

「利己的な遺伝子」
http://www.amazon.co.jp/dp/4314010037/

の、6章「遺伝子道」には、血縁淘汰について書かれています。

血縁淘汰説は、働き蜂に見られるような利他的な性質を説明するために、提唱されたそうです。

しかし、ドーキンス博士の以下の文章を読んでみて、気がつくことがあります。

「では、アルビノの人どうしはとくに親切にしあっていると考えてよいのだろうか?
実際にはおそらく答えは否であろう。
その理由を知るために、遺伝子を意識的存在とした比喩を一時捨てなければならない。
この文脈ではそれは明らかに誤解を招くからである。
少々冗長かもしれないが、まともなことばにいいかえねばなるまい。
アルビノ遺伝子は実際に生き続けたいとか、他のアルビノ遺伝子を助けたいとか思うわけではない。

だが、アルビノ遺伝子がたまたまその体に、他のアルビノに対して利他的にふるまうようにさせたとしたら、結果として、いやでも自動的に、遺伝子プール内で数がふえてゆくようになるはずである。」
p.129-p.130

すなわち、利他的な遺伝子がどうして出現したのかとか、
さらに進んで、どうして利他的にふるまうのか、
を進化的に説明したわけではないということです。

利他的な遺伝子があれば、その遺伝子頻度は増えるだろう、と言っているにすぎないわけです。


ですから、

血縁淘汰説/虫の雑学 (社)農林水産技術情報協会

にあるような、

「仲間のほかの個体のことなどはどうでもよく、要はそうした仲間を蹴落としても自分自身の遺伝子さえ残せればいいというわけである。」

などという捉えかたは、まったく間違っているということです。


血縁選択説 - Wikipedia



posted by pocs at 06:23| Comment(0) | 進化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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