2008年09月16日

Re: 利己的な遺伝子 遺伝子レベルにおける前適応

> とくに、巧妙なからくりが、一つや二つのまったく偶然の突然変異で実現されるなどということは荒唐無稽な話でしかありません。


これに対する反論として、「前適応」という考え方があります。

前適応は、複数の器官に同時的な変化が必要だと思われる場合にその説明に用いられます。

たとえば、翼の出現について、羽毛が翼に進化したのだという例がよく出されます。
確かに羽毛と翼はよく似ており、羽毛が少し伸びれば浮力が出てくるかもしれない、とは思われます。

しかし、そのからくりは「羽毛の量を多くする遺伝子」です。
これによって羽毛がいくら増えても、「翼」にはなりません。

羽毛が「翼」になるためには、さらに他の複数の遺伝子が突然変異を起こして新しい相互作用をする必要があると思われます。

いうなれば、「遺伝子レベルにおける前適応」という問題です。

この羽毛と、未知の「翼」の間にある、複数の遺伝子の存在は、前適応では説明できないのではないでしょうか?

そういう遺伝子があったらいいなあという願望と実際にあるかどうかは別問題ということです。

羽毛の量が多くなることだけをとってみても、
ドーキンス博士がおっしゃるように、
「羽毛の量を多くする遺伝子」というものがあるわけではなく、遺伝子間の相互作用によってそうなる可能性もあるということです。

その上に、「翼」にまで発展する遺伝子間の相互作用があることをどうして当然のように受け入れることが出来るのでしょうか?

もしそれが可能だったとするならば、
それは、翼を構成する、遺伝子間の相対的授受相関対応関係が、もともとあったと考えるべきであると思います。

もともとなかったならば、羽毛恐竜から鳥類は出現しなかったでしょう。


前適応 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E9%81%A9%E5%BF%9C

「総合学説によれば、新しい形質は突然変異によってのみもたらされるものである。
突然変異には方向性がないことになっているので、鳥が空を飛べるには、あまりにもたくさんの偶然が積み重ならなければならない。
したがって、爬虫類から鳥に進化する過程で、これらの条件が同時にそろったのだとすれば、それは奇跡に近いと言える。

この困難を避けるために利用できるのが前適応という考えである。

例えば、羽毛は実は地上性の恐竜が既に持っていたと見る訳である。
この場合、羽毛は例えば体温保持の役割を担っていたと考えられる。
そして、そのような羽毛恐竜の一部が樹上生活から滑空へと進めば、羽毛を整えて翼を形成することもさほど無理なく理解できる。
より能動的に飛ぶための適応は、さらにその後に発達したと見ることもできる。」



posted by pocs at 07:30| Comment(0) | 進化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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