2008年07月28日

ヒトの利他行動の研究(2)

ヒトの利他行動の研究は最初、ヒト以外の動物の研究と同じ理論的枠組みで始まりましたが、

しだいに、「単純な遺伝進化によるヒトの互恵的利他行動という仮説そのもの」がヒトにはあてはまらないことがわかり始めたのだそうです。

そのひとつが、「合理的経済人として振舞っていない」という観察結果です。

「最後通告ゲーム」というA,B二人の被験者が金銭を分配するシミュレーションゲームですが、

合理的経済人の前提から予測される「自己利益最大化の予測」とはまるっきり違い、

「相手の分配も考える」という観察結果が得られました。

2者間の行動だけでは進化の理解ができないため、

2者間の過去の行動に対して「第三者のよい評判」が築かれることが進化的に有利に働くのではないかという「間接互恵性」も研究されました。

しかし、これも、このモデルは働きにくいかもしれないと言われ、さらなる研究が必要だと言われています。

さらに、1998年には、「自己の存続に直接関係しない非血縁者との匿名の一回限りの出会い」においても人間は協力的に振舞い、

また、協力しない個体に対して費用がかかっても罰行動を行うという「強い互恵性」があることがわかりました。

しかし、この場合、明らかに自分の取り分は減ってしまうのです。

この「強い互恵性」がなぜ進化できるのか、その仕組みは何なのか、
単純な遺伝進化モデルだけではとうてい解明できないと進化学者が述べていることが、この著書で明らかになっています。


リチャード・ドーキンス博士が、著書「利己的な遺伝子 増補新装版」の
http://www.amazon.co.jp/dp/4314010037/
「三〇周年記念版への序文」の中で
「我々の脳は自らの利己的な遺伝子にそむくことが出来る地点まで進化したのである。」
と述べているように、
人間は「自然淘汰という進化」(これが正しいかどうかは別問題として)の延長上にはすでにない、といえると思います。


創造目的学から見れば、人間は、他の動物にはない霊人体が中心であり、
霊人体が肉身を主管する存在であり、
肉身の本能にのみ従って生きている他の動物とはまるっきり違います。

また、人間は肉身を脱いだ後、天上世界で永生し、
それゆえ、人間が本心において志向しているものは、生き残るという肉身的要素ではなく、
永遠なる幸福であり、愛の結実です。

これが人間の真の姿であり、これを考慮しなければ、人間という存在を真に解明することは出来ないでしょう。



posted by pocs at 16:35| Comment(0) | 進化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。