2008年07月25日

ヒトの利他行動の研究

シリーズ進化学5「ヒトの進化」の
http://www.amazon.co.jp/dp/400006925X

4 人間の本性の進化を探る 6 ヒトの協力行動 には、

人間が、自然淘汰理論から類推される範囲の利他行動をはるかに超えた利他行動をしていることが明らかにされています。


「■「合理的経済人」仮説への挑戦

この考察を促した現象のひとつが、
人間の集団では、これまでの動物の利他行動の進化で論じられてきた範囲をはるかに超えて、じつに広範な利他行動が見られる一方、

それとは対照的に、理論の提出後の長年の研究にもかかわらず、ヒト以外の動物においては、真に互恵的利他行動と呼べるものの観察がほとんどないことだ。

ヒトにもっとも近縁なチンパンジーの社会においても、真に互恵的利他行動と呼ばれる例はほとんどない。

第6巻第2章でも取り上げられている、チスイコウモリの「互恵的利他行動」と呼ばれるものは、これまでに研究された中ではもっとも互恵的利他行動に近いのではあるが、厳密な意味でその基準を満たすものではない(Hammerstein,2003b)。

一方、実験経済学者、ゲーム理論を応用した経済学者の数々の研究から、ヒトが典型的には、従来の経済学が仮定していたような「自己利益最大化の合理的選択」をしないことが明らかになってきた。

つまりヒトは、従来の経済学が仮定していた「合理的経済人」として振る舞ってはいないのである。

たとえば、相手が誰であるかを特定できず、これ以後二度と会う可能性もなく、自分の社会的評判にも何の影響も及ぼさないような、匿名の1回限りの「囚人のジレンマゲーム」状況においてさえも、ヒトは、かなりな割合で協力的な選択をする。」
p.159

(続く)



posted by pocs at 06:40| Comment(0) | 進化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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