2008年05月10日

恵果と両部一具(4)

2008年05月08日の続き

恵果和尚に帰せられる著作、翻訳はみあたらない。それは、恵果が修法の大家、体験の人であり、著作を重要視しなかったがゆえとも考えられている。

確実視されるものがまったく残されていないが、その多くは胎蔵法と金剛界法の両部一具の思想と深いつながりをもっているものに、恵果述といわれるものがある。

たとえば「大日如来剣印」とか、真言密教の実践体系の基本をなす「十八契印」などがそれにあたり、その作者として恵果説と空海説があげられている。

同じように著者がわからないけれども、恵果和尚が関係しているものに「秘蔵記」がある。
不空口説、恵果記とも、恵果口説、空海記ともいわれる。

内容は両部曼荼羅、修法、観法、供養法、念誦法、灌頂、種子などの修法に関する規定をはじめ密教の主要な教理などおよそ百項目についての説明を集めており、阿闍梨の説を折にふれて書きとどめたメモを整理したもののようである。

また金胎両部の現図曼荼羅がある。
いずれもインド伝来の経典の説にもとづいて書かれた数種の曼荼羅の諸尊を中国において選択して整理し、また構成に変化を与えたもので、両部一対になっていおり、その構成をまとめ上げた人物として、恵果和尚以外の人物は考えにくく現在ほぼ定説であるといってよいだろう。(権田雷斧「曼荼羅通解」、栃尾祥雲「曼荼羅の研究」、浜田隆「曼荼羅の世界」)。



ラベル:恵果 両部一具
posted by pocs at 07:20| Comment(0) | 時空を超越した世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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